盗みの夢は……
今回の夢は「職場」が舞台です。それも「盗む」という行為にかかわっています。これは一体何を暗示しているのでしょうか?
夢トークの相手は千葉・習志野のS・Yさん、32才、OLです。
- Sさん :『職場で私がチケットか何かをある男性から取り戻す、あるいは奪おうとしている。なぜその必要性があるのかは忘れた。私のボスの女性が「盗むしかないね」と言う。
私は「あれは、絶対にいつも身につけているから、盗みに入っても見つからないよ。無理だよ」
ボス「でも、それしか方法ないよ」
私は「そうかやるしかないか」と盗みに行く決心をしました』
- 新山さん:『舞台は職場で登場人物はS・Yさん自身と実在しない男性、女性のボスの間に小さなドラマが起きます。書類かチケットを盗む相談をしているのですが、うながしているのは、同性のボスです。
これはS・Yさんの影、つまり彼女が現実であまり意識していない心理機能をボスが表現していて、それを使って男性性(アニムス)を取り込む作業と考えられます。
男性性とは「判断する」「分ける」「切る」といった機能を表し、仕事にスジを通していく論理性につながります。この部分を意識化すると、女性が仕事をする時、バランスのよい形で判断していけます。その男性性を、自分の影と協力して盗むということです』
- Sさん :『そんなものでしょうか。余り論理は得意ではないのですが…、夢の中では盗みに行くさい、(別にイヤイヤではなく自然に)もう一人と「よし、行くか」とドアを出ようとした瞬間、部屋の中にあるパソコンの前に座っていたスタッフ(ボス?)が画面を見て「ちょっと待った!これで大丈夫!」と盗む方法が見つかったことを示す。私は「えっ、本当」(「やった」という感じ)と駆け寄ってみんなでパソコンを囲んでのぞきました。画面上に結論はまだ出ていませんでした』
- 新山さん:『「盗む」という行為は、現実ではかなり後ろめたいのですが、夢の中ではごく自然に流れに乗って盗む計画に参加しています。何かが成長する時、私たちは変化に慣れず、心理的に何か悪いことをしている気分にさせられます。その感覚が、夢の中で「書類を盗む」行為として表現されています。
今までと違うパターンの生き方、仕事をスタートさせる時期と重なっているのでしょう。夢の中ではむしろ自然に「盗む」行為を受け入れている訳です。
新しい方法を見つける準備はできているが、それが画面に出ていない状態は、やり方は分かっているが、具体的に動き出していないS・Yさんの現在の心理状態を表しているといえるでしょう。
仕事や人間関係において心理的にまだ「娘」の部分を「いい女」へと脱皮させる質的変化を暗示している夢と考えられます』
★新山 恭子(にいやま・きょうこ)1948年(昭23)12月21日、東京都生まれ。東亜国内航空(現JAS)客室乗務員として勤務した後、秋山さと子氏に師事しユング心理学を研究。現在は産能大学経営開発本委嘱講師を務めるかたわら、ドリームコンサルタントとして講演、研修などで活躍。ラジオ日本「新山恭子のドリームトーク〜夢はあなたへのメッセージ〜」(日曜後5:35)のパーソナリティーとして出演。
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