幼いころに見た夢は何を語るのか?幼いころに見た夢は大人になっても不思議と記憶の隅に残っているものです。それは古いアルバムの中で見つけた一枚のセピアの写真のよう。心の扉を開くときに、懐かしさとともに、大切な何かを私たちに語りかけてくれます。今回登場するのは、少女だったころに何回も見た夢です。祖母に手を引かれながら港のような所を歩いています。一体、この夢にはどんなメッセージが込められているのでしょうか?
今回の夢相談は東京・世田谷のI・Aさん。40歳、主婦です。
4歳ぐらいの私と、そのころ同じ敷地内に住んでいた母方の祖母が、波止場のような所を手をつないで歩いている。材木置き場があり、その前を通ると、立てかけてあった材木が、一度にたくさんバタバタと倒れきて、怖くて苦しくて目が覚める。
目が覚めると怖くて、起きてからしばらく泣いていました。どうしてこの時期に、この夢を何度も見たのでしょうか。私が結婚した26歳のときに祖母は亡くなりました。』
港は、海と陸の境界線で、意識と無意識の「境目」を象徴しています。
そこを幼いころのI・Aさんとおばあさんが歩いていて、たくさんの材木が倒れてくる現象は、抵抗のしようがない大きな力に二人が心理的につぶされる感覚を伝えているのでしょう。4歳から12歳の間に繰り返し見たこの夢は彼女の不安定な気持ちにバランスをとっていたと考えられます。
つまり、この夢をみたころ、彼女を取り巻く環境は表面上、和やかで何事もなかったようでも、水面下で、おばあさんを含む家族関係の中に”ギクシャク”が潜んでいたのではないかと思います。まだ大人の世界に参加していなかったI・Aさんには、具体的な訳は分からず、その”ギクシャク”をムードとして内面でキャッチして、傷を受け、切なさを夢の中で表現し何とかバランスをとっていたのでしょう。
家族の場で表面上に出てこない問題が、一番ナイーブな人に症状として表れてくるものです。彼女とおばさんは心理的な結び付きが強かったと思われます。おばあさんの悲しみと、家族関係の中で受けた圧迫感が、材木に下敷きにされてしまうほどの重さで幼い彼女を襲っていたのでしょう。』
つまり、おばあさんとつないでいた手を離して、独り歩きを始めたので、夢はメッセージを送らなくてもよくなったわけです。』
